株式会社ワコムのサイン入力専用液晶ペンタブレット「STU-500」がこのほど、スペイン貯蓄銀行グループ(以下、CECA)の新しい基幹システムDigital Signature System(以下DSS)に採用され、顧客が口座契約申込書などに電子サインを書き入れる端末として運用が開始されています。スペインに全45あるグループ貯蓄銀行のうち、すでに16行の支店1500店舗にSTU-500が約1万台設置され、これまでに500万人以上が同タブレット上で取引を行っています。
CECAが運用を開始したシステムは、振替、クレジットカードの申し込み手続き、ローン契約、口座契約などの取引プロセスを全て電子化したもので、STU-500で書き入れられた顧客のサインをDSSに取り込むことができます。CECAがこのシステムを導入した主な目的として、1.取引書類にかかるコスト削減、2.金融業務プロセスの電子化、3.顧客・従業員の利便性の追求という3点を挙げています。
CECAではこのシステムを導入する以前、上記の取引を紙ベースで行っており、その際に各種申込書や契約書の印刷費、輸送費、保管費が多く発生していました。貯蓄銀行1支店が1年間のうちに取り扱う書類の枚数は、平均して約4万枚にのぼります。CECAでは、DSSを採用することで、書類の印刷とプリンタインクにかかっていた費用1枚あたり平均3ユーロセントの削減になり、これを貯蓄銀行グループ全体で換算すると1年間で3千万ユーロの大幅なコスト削減につながると予想しています。また、書類の輸送や保管にかかる費用も大きく削減されると考えています。さらにこれはコスト面だけでなく、紙の使用量やプリンターのインク量の削減にもなるため、環境保護の面でも大きな貢献ができるとしています。
CECAはSTU-500を以下のように評価しています。
●顧客のサインデータをコンピュータに取り込む際、書き入れたときに取得できるデータのクオリティが他社製品よりもはるかに優れており、DSSに必要な要件以上の性能を持っていた。
●印刷費用だけでなく輸送や保管にかかる間接費用も削減できる。
●プリンター紙、インクの使用が減ることで環境保護に貢献できる。
電子サインを伴うDSSは顧客からの評価も高く、行員も業務効率の向上を実感しているといいます。同グループはSTU-500を採用する店舗が近く3,000店を超えると予想しています。
当社のサインペンタブレットは、2007年に独ベルリン州立銀行、2008年にはIKEAストア(ドイツ国内)の電子サインシステムに導入されており、決済プロセスのペーパーレス化が世界的に進んでいます。当社ではこれらの用途の他、保険や医療などの分野でもペンタブレット・液晶ペンタブレットを使用した電子サイン、電子認証システムの導入が今後広がると見込んでいます。今後もさまざまな関連ソリューションを開発して販売拡大を狙います。
【STU-500について】
ワコム「STU-500」は、コンパクトな反射式5インチTFT液晶ディスプレイを搭載したタブレットと、コードレス・電池レスの電子ペンで構成されます。CECAが今回導入したシステムは、ワコム「STU-500」とドイツ電子認証アプリケーション大手Softpro (ソフトプロ)社の電子サインソフトウエアと連携させたものとなっています。
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